3歩歩けば人は変わる

子どもの頃から親に叩き込まれた教えがブログのタイトルです。基本思いついたときしか書きません。

ある飲み仲間Kさんとの話。


以上要約。

補足を書いたのは、知らない相手にも手紙を返して好印象を与えて票を得ようとするなんて悪しき習慣だ!!的な流れの中でこの文章が紛れてしまったから。b.hatena.ne.jp

ここで書いた飲み仲間Kさんについて、ちょっとだけ語っておこうと思う。

注意:
ちなみに、コレを読んだ人は、本人のことが特定できても絶対に名前を書かないでください。
飲み仲間Kさんのことは転載厳禁。ダメ、絶対!!本当に頼みます。

出会い、仲良くなったきっかけ

知り合ったのは、僕が社会人2年目の飲み歩きを覚えたての頃。
僕がよく行く店に、ときどき現れていた。
歳は50代後半から60前後。
周囲からは「まっきーには恐れ多いから近づいちゃダメな人だ!!」と散々釘を刺された。

そして、何度か飲んでいる間に様々な噂を耳にする。
「かつては名古屋の裏社会を牛耳っていた」
「あの人の逆鱗に触れると、東京湾に沈められる」
「あの麻生太郎とマブダチ」
「超々良いところの生まれのスーパーエリート。世界中を飛び回っていた。」
「元フォークミュージシャンで、名古屋の音楽業界のビッグ事務所の創設者の一人」
「元フィギュアスケート選手」
・・・などなど。
どう聞いても怪しすぎる。
ここではその飲み仲間をK(怪人)さんと称する。
(仲良くなってから後で分かったことだが、噂の7割近くは真実だった。)

ある日、その店のスタッフが誕生日、ということもあり、誕生会を開くことになった。
その流れで、常連の女性2人に「Pefumeやって!!」コールが。
以前彼女らは3人でポリリズムとチョコレイトディスコを出し物として踊ったことがあったからだ。
しかし、今ここにいるのは2人だけ。
そこで、強制的に僕が3人目として踊ることになった。
そもそも踊りの勉強や出し物の音源は、全て僕が貸したPerfumeのDVDだったからだ。
だが、僕は踊りなど人生で一度もちゃんとやったことはない。
とりあえず、1曲目のポリリズム
サビの大切なところだけ、なんとなく合わせ、あとは適当にごまかす。
そして、2曲目のチョコレイトディスコ。
常連女性2人は完璧だが、やはり中途半端な踊りが混じっていては盛り上がりに欠ける。
ライブに何度も行っているとはいえ、突然踊ることなんてできない。
そこで、僕は「あーちゃん」になることにした。
ディスコ!!での煽りながら客に対してマイクを向けるなど、普段あーちゃんがライブでやっている観客を盛り上げるパフォーマンスをコピー。
そして、最後のディスコ!!×3だけは、定位置で完全にタイミングを合わせ、シメる。
結果、会場は熱狂の海と化した。

カウンター席に戻ると、僕にワインが。
噂のKさんだった。
「君、最高に良いね!!何度か顔は見てるけど名前を教えてくれよ!」
周りは正直びびっていたが、話してみると意外と気さくな人だった。

Kさんは色々引退した後に、バーを営んでおり、気が向いたら来て欲しい、と誘われた。
その後、Kさんとはなんやかんやで仲良くなった。

誕生会

コメントで書いた誕生会、というのはKさんの60歳の還暦お祝いパーティー。
「会費2万だけど、世界中の一流のワインを集めて飲むから、その倍以上はお得だから来なよ」と誘われた。
しかし、世知がない僕にはそんな余裕はないし、Kさんの還暦祝いなぞ、誰が来るか想像するだけで恐ろしい。
すると、「太郎ちゃんも来るから紹介するよ」と。
Kさんと太郎ちゃんは昔から仲が良かったらしく、その数日前にも軽快にこんな話をしていた。
「太郎ちゃんから連絡が来たんだけど『奥さんが1人で名古屋に行くからよろしく』って言うんだよ。
 あそこの奥さん、超お嬢様だから自分で何もできないんだよ。
 それを1人で行かせるなんて信じられない。
 そしたら、夜奥さんから電話があって、『Kさん、ホテルってどうやって泊まるの?』って聞いてくるんだよ。
 奥さんのチェックインをするためだけに、俺がわざわざホテルに行ったんだぜ。
 」
というわけで、理由をつけて、パーティには行かないことにした。

数日後、パーティの写真を見せてもらった。
すると、ギターで演奏するKさんと楽しく歌う太郎ちゃんの姿が。
他の出席者も色々怖い。
行っていたら完全に浮いていた。針のむしろだ。

それから

ワイフとの初デートの時も、Kさんと僕の知り合いがお店の2つ隣の席で飲みながら、ニヤニヤ観察していた。
ワイフから共通の友人含め3名で、と食事を誘われたが、その友人が意図的にドタキャンしデートになったのだが、前日に実はワイフの家が遠く集合時間が終電の3分前だということが発覚したためだ。

Kさんにはその後も人生の色々を聞いたり、相談に乗ってもらったりした。
僕はプロポーズする前の晩、Kさんのバーで飲み、プロポーズをする宣言をした。
婚姻届の証人の欄の名前をお願いした。

すると、思いがけずKさんから今までの半生を聞くこととなった。
詳しいことは書けないが、まさに栄枯盛衰、諸行無常のアップダウンの激しい人生。
Kさんの生まれや息子が聴覚障害で苦労したこと、仕事のことなど色々。*1
最終的には、Kさんは権力争いが嫌になり全てを捨てて、バーを開く。

結婚して子どもが産まれてからは、僕自身飲むことが圧倒的に減ったので、Kさんと会うことも少なくなった。
たまにKさんの作るカレーが食べたくなる。*2

最近、身体が弱っているので、身体をいたわって、長生きをして欲しい。*3

*1:息子さんとは何度か飲んだことあるのだが、とても社交的な人で、不幸な雰囲気など全く感じない。僕の偏見を自覚させられ、価値観を変えた。 全然日本語がしゃべれない外人さんが身振り手振りで日本人と仲良くするかごとく、手話を使って女の子をナンパする。あれは本当にすごい。

*2:Kさんのカレーは濃厚な欧風カレーで旨味が強く変わった味がする。ワインとの相性が非常に良い。 現役時代にカルフォルニアのホテルで食べたカレーが旨かったので、再現を試みたらしい。 実は、僕も家でカレーを作るとき、市販のルーでKさんのカレーを擬似再現している。 ワイフからも評判が良いです。

*3:Kさんはもう老人なのに酒に女にと生き方や生活が色々ロック。元フォークシンガーなのに。長生きできなさそうなので心配。